中国主席と「戦略的互恵」確認へ=石破首相、14日から南米訪問
政府は12日、石破茂首相が14~21日の日程でペルーとブラジルを訪問すると発表した。首相は歴訪中、中国の習近平国家主席やバイデン米大統領と個別に初めて会談する方向。習氏とは「戦略的互恵関係」の推進で一致する見通しだ。
首相は15、16両日、ペルーの首都リマで、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。日中首脳はリマで会談する見込みで、林芳正官房長官は12日の記者会見で「会談を行うべく調整を進めている」と語った。
日中両国は9月、東京電力福島第1原発事故後に中国が続けてきた日本産水産物禁輸の緩和で合意した。首相は習氏との会談で、早期の輸入再開を要請する。9月に中国・深セン市で起きた日本人児童刺殺事件も取り上げ、事実関係の説明と在留邦人の安全確保を求める。
首相は、戦略的互恵関係を進め「建設的かつ安定的な関係」を築く方向性を直接共有したい考えだ。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの北朝鮮の兵士派遣についても意見を交わす。
南米訪問中、首相はバイデン氏とも会談する見通し。初の対面会談では日米同盟の重要性、抑止力・対処力強化に向けた連携を確認する。韓国の尹錫悦大統領とも会談する。
首相は18、19両日、ブラジル・リオデジャネイロで開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に参加する。「法の支配に基づく国際秩序」の重要性を訴え、議長国のブラジルが掲げる国連改革などで参加首脳に賛同を呼び掛ける方針だ。
首相はブラジルからの帰途、米国でトランプ次期大統領と会談する方向で調整している。5日の大統領選での勝利から間を置かず顔を合わせることで、個人的な信頼関係構築につなげたい意向だ。
[時事通信社]
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