ウィップス大統領再選=対米関係強化、義兄破る―パラオ
【シドニー時事】太平洋の島国パラオで5日に行われた大統領選で、ウィップス大統領(56)が11日、返り咲きを目指した義理の兄のレメンゲサウ前大統領(68)を破り再選を確実にした。ウィップス氏は台湾との外交関係を維持するとともに、米軍駐留の受け入れ拡大を通じ対米関係を強化していく考えだ。
現地からの報道によると、11日現在の得票率はウィップス氏が57.5%、レメンゲサウ氏が41.3%。在外投票分の開票が残っているが、レメンゲサウ氏は逆転できないとみて敗北を認めた。ウィップス氏は「誠意をもって、国民が与えてくれた2期目の責任を果たす」と勝利宣言した。
同じ顔触れの対決だった2016年選挙では、当時現職だったレメンゲサウ氏が僅差で勝利していた。両候補とも台湾との外交関係維持を掲げたが、米国との防衛協力を巡ってはウィップス氏が強化の方針を明確に打ち出し、レメンゲサウ氏は慎重姿勢だった。物価高や消費税導入がウィップス氏に逆風となったが、賃上げなどを訴えてはね返した。
ウィップス氏は1期目、東京電力福島第1原発の処理水放出に早い段階から理解を示した。
[時事通信社]
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