敗北は「バイデン氏のせい」=米民主、責任押し付け合い―大統領選
【ワシントン時事】米大統領選でハリス副大統領(60)が敗北したことを受け、民主党内で責任の押し付け合いが始まっている。とりわけ選挙直前の7月に再選断念を発表したバイデン大統領(81)について、「撤退が遅すぎた」などと責める声が広がっている。
「1月に降りるべきだった」。2020年大統領選の民主予備選に出た起業家のアンドルー・ヤン氏は6日、バイデン氏が後継候補に準備期間を与えなかったとSNSで批判。ティム・ライアン元民主党下院議員は「党を顧みない利己心によるものだ」と述べ、バイデン氏が長く権力の座にとどまろうとしたと非難した。
一方、激戦州・東部ペンシルベニア州の民主党重鎮は、ハリス氏陣営が地元組織との連携を著しく欠いたと振り返る。「負けたのはハリス氏であり、バイデン氏ではない」と反論した。
バイデン氏は21年の就任直後から高齢不安が指摘され、再選を危ぶむ見方が出ていた。それでも、22年の中間選挙で民主党が上院多数派を維持するなど善戦したことで、党内の懐疑論者を黙らせた。
党予備選でも有力な挑戦者は現れず、圧倒的票数で候補指名を確実にした。しかし、6月のトランプ前大統領とのテレビ討論会で失態を演じ、猛烈な「バイデン降ろし」に遭って撤退した。
ハリス氏は人種や年齢、性別を問わず幅広い有権者層で得票を伸ばせず、返り咲きを狙った共和党のトランプ氏に「完敗」した。米紙ポリティコは「民主党の課題は『ハリス氏かバイデン氏か』よりも、もっと根深い」とし、選挙戦略そのものに問題があったと論評した。
バイデン氏は7日、ホワイトハウスで演説。「勝った時だけ国を愛することはできない。投票先にかかわらず、互いを敵でなく同胞と考え、冷静になってほしい」と訴えた。
[時事通信社]
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