PSG戦で「パレスチナを解放せよ」の横断幕 仏政府が問題視
【パリAFP=時事】6日に行われたサッカー欧州チャンピオンズリーグで、パリ・サンジェルマン(PSG)の過激サポーターがスタジアムの観客席に「フリー・パレスチナ(パレスチナを解放せよ)」と書かれた巨大な横断幕を掲げたことについて、フランスのブリュノ・ルタイヨー内相は7日、サッカースタジアムでは全く容認できないとの考えを示した。≪写真は、サッカー欧州チャンピオンズリーグのリーグフェーズ第4節、パリ・サンジェルマンとアトレティコ・マドリードとの試合で、観客席に掲げられた「フリー・パレスチナ」と書かれた横断幕≫
PSGが本拠地パルク・デ・プランスでアトレティコ・マドリードに敗れたこの一戦では、試合前に問題の巨大バナーが観客席の一帯を覆い隠した。そこには「フリー・パレスチナ」のスローガンとともに、血染めのパレスチナ国旗、アラブ男性が着用する頭巾「カフィーヤ」で目以外を覆い隠して身ぶりをする男性、中東エルサレムのアルアクサ・モスク、そしてレバノン国旗をまとった少年の姿が描かれていた。
このバナーは、PSGの過激なサポーター集団「ウルトラス」の「コレクティフ・ウルトラス・パリ(CUP)」が掲げたもので、「ピッチ上は戦いでも世界に平和を」というもう一つのスローガンも示されていた。CUPは7日、「憎悪のメッセージ」であることを否定し、むしろ「平和を呼び掛けるもの」だと主張した。
中東では現在、イスラエルがパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスに加え、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの軍事行動を激化させており、民間人の犠牲者に対する国際的な懸念が高まっている。
右派のルタイヨー氏は、「サッカースタジアムにおいて、こうしたバナーは全く容認できない」「PSGに対し、自発的な説明とスポーツを損なう政治が持ち込まれないようにすることを求める」とX(旧ツイッター)に投稿した。
仏内務省によると、差別対策担当の内務副大臣が同国サッカー連盟(FFF)のフィリップ・ディアロ会長とPSGのビクトリアノ・メレロ最高経営責任者(CEO)を召喚し、8日午前中にこの問題について協議を行うという。
一方、このバナーはフランスの一部左派から支持を得ており、極左政党「不服従のフランス(LFI)」のマニュエル・ボンパール氏は、「平和のメッセージはサッカースタジアムにふさわしい」と述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
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