政策実現へ「ゆ党」路線=参院選にらみ、連合は懸念
衆院の過半数を占める政党がない「ハングパーラメント(宙づり議会)」の状況下で、国民民主党は与野党と等距離を保つ「ゆ党」路線を取る方針だ。政策実現と政権批判の「いいとこ取り」で存在感をアピール。来夏の参院選での躍進をもくろむ。ただ、政権寄りと映る側面は否めず、支持団体の連合からも懸念の声が上がる。
「立憲民主党、公明党、日本維新の会とも案件ごとに(協議を)やる。自民党とだけ部分連合するわけじゃない」。国民の榛葉賀津也幹事長は1日の記者会見で、国会運営などのキャスチングボートを握る意志を重ねて示した。
前日の自民に続き、国民は1日に立民と幹事長・国対委員長会談を開き、政治改革などに関する協力で一致。この後、公明とも幹事長らが会談し、看板政策の「年収103万円の壁」見直しで、「前向きに検討したい」との言葉を引き出した。
もっとも、立民より自民との協議を優先するなど、国民には交渉の力点を与党寄りに置く姿勢が透ける。玉木雄一郎代表らは岸田政権下で、自民の麻生太郎元首相ら有力者と接触を重ねていたと、複数の与野党筋は証言。念頭にあったのは国民の連立入り構想だ。
「首相になりたい」。かねて周囲にこう語るなど、玉木氏は政権志向を隠さない。
与野党の「国民詣で」が相次ぐ中、榛葉氏は会見で「わが党の議席は4倍になった。上から目線で言っているのではなく、選挙で結果が出た」と高揚感をにじませた。党幹部は、政策面で実績を重ねることにより、「参院選ではさらに躍進する」と意気込む。
「非自民結集」に冷や水を浴びせるような対応に、連合内では「玉木氏も榛葉氏もてんぐになっている」(幹部)との批判も漏れる。立民若手は「政権への傾斜を強めれば、産業別労働組合の支援を受ける議員は付いていけないだろう」と指摘した。
[時事通信社]
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