北朝鮮の軍事活動加速を警戒=日本政府「新型弾の可能性」
日本政府は31日、北朝鮮が発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)について、「固体燃料式の新型ミサイル」の可能性も含めて分析に着手した。飛行時間、到達高度ともに過去最長・最高を更新しており、核実験などさらなる軍事行動をにらみ警戒を高めた。
これまでに発射されたICBMのうち最も射程が長いと推定されるのは「火星17」「同18」。いずれも1万5000キロ超で、米本土を全て狙える能力を持つ。これらが記録した最高値は飛行時間74分、最高高度6000キロ超だった。
今回は飛行時間86分、最高高度7000キロ超。より強い推進力を有することで、より重い弾頭を搭載できる可能性がある。機動的な運用ができる固体燃料式との見方もあり、中谷元・防衛相は記者団に「従来とは別のミサイル」と指摘した。
林芳正官房長官は記者会見で、「各種ミサイルの発射や核実験の実施を含め、さらなる挑発行為に出る可能性はある」と明言した。石破茂首相は国家安全保障会議(NSC)を招集し、対応を協議した。
北朝鮮はロシアのウクライナ侵攻に参戦する形で派兵し、双方の技術協力が深まると懸念されている。韓国政府は北朝鮮が核実験の準備を進めているとみており、日本政府内では米大統領選をにらんだ揺さぶりとの分析に加え、「派兵で手いっぱいだと思われないために一段と強硬な姿勢を見せたいのではないか」(防衛省幹部)という観測も出ている。
[時事通信社]
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