UNRWA禁止法、全理事国が懸念=イスラエルは反論―国連安保理
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は29日、パレスチナ情勢を巡る定例の公開会合を開いた。イスラエル国会が28日に国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する法案を可決したことについて、日米を含む全理事国が懸念を表明。「国際法違反だ」と非難し、撤回を求める声も上がった。
これに対しイスラエルのダノン国連大使は、UNRWAとイスラム組織ハマスのつながりを指摘し、「UNRWAは人道支援団体を装うテロ組織だ」と反論。90日後に控える施行の正当性を主張した。
トーマスグリーンフィールド米国連大使は、UNRWAとハマスの関係を検証する新たな仕組みの創設をグテレス国連事務総長に求める一方で、「現時点でUNRWAに代わる機関はない」と懸念を表明。ウッドワード英国連大使は、ハマスとの関連は「十分に調査された」として、活動を禁じる「正当な理由はない」と強調した。
山崎和之国連大使は、UNRWA改革は必要だとした上で「国連加盟国にはこれ以上の人道的悲劇を阻止する責任がある」と述べ、イスラエルに再考を促した。
ドゥジャリク事務総長報道官は29日の定例会見で、グテレス氏がイスラエルのネタニヤフ首相に法案可決への懸念を伝える書簡を送付したと明らかにした。
[時事通信社]
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