証拠積み重ね、3度目逮捕=「遺体なき殺人」で難航も―警視庁
東京・浅草の夫婦による親族連続殺害事件で、警視庁は元旅館経営の細谷健一(43)、妻志保(38)両容疑者の3度目の逮捕に踏み切った。健一容疑者の父勇さん=当時(73)=は6年前に死亡しており、「遺体」という重要な証拠がない中で、同庁はさまざまな状況証拠を積み重ね、裏付けを進めた。
両容疑者は昨年3月に死亡した次女、美輝ちゃん=同(4)=の体内から有害成分「エチレングリコール」が検出されたことで、今年2月に逮捕された。
同庁が調べたところ、両容疑者の周辺では2018年1~6月の半年間で、健一容疑者の両親と姉の計3人が死亡していた。病死と処理されていたが、同庁は「不審な点がある」として、夫婦による連続殺人を疑った。
18年4月に死亡した姉美奈子さん=同(41)=については、臓器片が保管されており、これを調べた結果、エチレングリコールを飲まされたと判断。殺人容疑で両容疑者を再逮捕した。
ただ、同年6月に死亡した勇さんについては、当時の健康状態の変化を知る手掛かりは少なかった。
勇さん殺害を立証するため、同庁は入院先の病院などから膨大なカルテを収集。数値の変化を分析し、複数の学者に意見聴取したところ、「エチレングリコールを摂取したとみて矛盾しない」との見解を得た。
健一容疑者が勇さんから引き継いだ会社の財務状況も調べ、会社の経営権や相続などが殺害の動機との見方も強めた。携帯電話などの解析で、両容疑者のメッセージのやりとりや有害物質の購入履歴も入手。勇さんを殺害できるのは両容疑者しかいないと判断した。
捜査関係者によると、捜査本部には当初から、勇さんら死亡した4人の写真が飾られていた。捜査幹部は「『遺体なき殺人』で本当に難しかったが、状況証拠を積み上げた」と語った。捜査本部は健一容疑者の母八恵子さん=同(68)=の死亡についても詳しく調べている。
[時事通信社]
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