カメラ付きで収容、一部違法=国に死刑囚への賠償命じる―東京地裁
拘置所で監視カメラ付きの部屋に収容し続けたのはプライバシー侵害だとして、死刑囚の男が国に約1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。西村康一郎裁判長は収容期間の一部について違法と認め、55万円の支払いを命じた。
判決などによると、男は詐欺グループの仲間割れで4人を死亡させたとして2013年に死刑が確定した伊藤玲雄死刑囚。一審死刑判決後の07年に東京拘置所に移され、22年までカメラ付きの部屋に収容された。
西村裁判長は、刑執行への恐怖から死刑囚は精神的に不安定になる可能性があり、カメラで監視する必要性は認められると指摘。一方でプライバシーの制約が極めて強く、死刑囚であっても無制限に認められるものではないとした。
その上で、「伊藤死刑囚に異常な行動はなく、自殺などが憂慮される状況は徐々に解消されつつあった」として、遅くとも死刑確定から5年後には監視の必要性がなくなっていたと判断した。
法務省矯正局の話 判決内容を精査し、適切に対応したい。
[時事通信社]
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