毎日1人に1.5億円 トランプ氏支援のマスク氏提案 法的に問題は?
【ワシントンAFP=時事】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ前大統領への支援を打ち出している実業家イーロン・マスクが、激戦州で有権者登録を済ませ、自身が呼び掛ける署名活動に参加した人に対し、11月5日の投票日まで毎日1人に抽選で100万ドル(約1億5000万円)を贈与すると表明。違法か否かをめぐり、物議を醸している。≪写真はドナルド・トランプ前米大統領の選挙集会で演説する実業家のイーロン・マスク氏〈右〉。ペンシルベニア州バトラーで≫
マスク氏は19日、激戦州のペンシルベニアでこの提案を発表した。
自身が率いるX(旧ツイッター)で、参加者は「言論の自由と武器を所持する権利を支持する」という文書に署名する必要があると説明。激戦州で有権者登録を行うことを参加条件としている。
選挙法を専門とするジョージタウン大学ロースクールのダニエル・ラング教授はAFPに対し、この抽選は「司法省によって民事または刑事裁判の対象となる可能性がある」と指摘。
「有権者登録を行うことを条件に金銭を支払うのは違法だ」と主張した。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ロースクールで政治学を教えるリック・ヘイセン教授も、選挙法に関するブログで同様の見解を表明。
「有権者登録の対価として金銭を支払うか、支払いを申し出る、または支払いを受け取る」ことを禁じる法律を根拠に挙げ、罰金1万ドル(約150万円)または5年以下の禁錮刑を科せられる可能性があると指摘している。
だが、別の見解を示す人もいる。
連邦選挙委員会(FEC)の元委員長、ブラッド・スミス氏はニューヨーク・タイムズ紙に対し、マスク氏の行動は「グレーゾーンだ」とし、有償で直接登録を促しているわけではなく、署名の呼び掛けにとどまっていると指摘している。
マスク氏本人は、単純に投票に行こうという呼び掛けにすぎないと主張している。
マスク氏は、この数週間、全力を挙げてトランプ氏を支援。同氏を支持する政治団体に7500万ドル(約113億円)を献金し、選挙集会にも出席している。
署名に応じれば抽選で100万ドルを贈与する考えを発表した選挙集会では、「とにかく外に出て、友人や家族、知り合い、道で出会う人々に声を掛け、投票するよう説得してほしい」と呼び掛けた。【翻訳編集AFPBBNews】
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