修繕・清掃、過度な高額発注防止=マンション関連法を改正へ―国交省
国土交通省は、マンションの管理組合から理事会業務を委託された会社が、グループ企業などに修繕や清掃を発注する場合、組合の総会で承認を得ることを義務付ける方針を固めた。相場より高い値段での発注を防ぐためで、2025年の通常国会への提出を目指すマンション管理適正化法などの改正案に盛り込む考えだ。
違反した会社に対する監督処分も設ける方針で、違反行為を重ねるにつれて、「指示」「業務停止命令」「管理業の登録取り消し」と処分を重くする方向で検討している。
一般的なマンションでは、組合員(部屋の所有者)の中から選任された理事会で、どの業者にいくらで修繕や清掃を依頼するか検討し、発注する。ただ近年は、理事会の業務を軽減するため、検討から発注までを管理会社に委託するケースが増えている。
この場合、管理会社と修繕や清掃を担う会社が同じだったり同一グループだったりすると、管理会社は「所有者のため費用を抑える立場」と、「会社の利益を優先させて値段を高くした方が良い立場」で、利害関係が対立する「利益相反」が起きる可能性がある。このため、所有者に不利益が生じることを防ぐ措置が必要だと判断した。
同省は、今年6月にマンション管理に関する指針を改訂。発注時に組合の承認を得ることのほか、チェック機能を持たせるため外部専門家らを「監事」として置くことや、組合の口座の印鑑は監事が持つことなどを定めた。このうち、発注時の承認は特に重要だと判断し、法律に明記して義務化することにした。
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