2024-10-18 19:13政治

高市氏、裏金候補を精力的に支援=岸田氏、影響力維持へ思惑【24衆院選】

 自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が衆院選で、派閥裏金事件に関係した前職らを精力的に支援している。次期総裁選も念頭に、党内の支持基盤を固める狙いがある。岸田文雄前首相も影響力維持に向け、自身が率いた旧岸田派の前職らの選挙区を中心に足を運ぶ。
 「こんなすばらしい政治家を押し上げなくてどうするのか」。高市氏が17日、東京都八王子市の街頭演説で持ち上げたのは、裏金事件を受けて自民を非公認になった前職の萩生田光一氏(東京24区)だ。
 萩生田氏は、党政調会長や経済産業相などを歴任し、旧安倍派で「5人衆」と呼ばれた実力者の一人。しかし、今回は無所属での出馬となり、立憲民主党の野田佳彦代表が「象徴区」として第一声の場所に選ぶなど、厳しい戦いを強いられている。
 高市氏は15日の公示以降、同じく非公認となった小田原潔氏(東京21区)、細田健一氏(新潟2区)らの応援にも駆け付け、陣営から「高市氏が頼みの綱だった」と感謝の声が上がっているという。選挙期間中の応援要請は120件を超え、現在も「どんどん増えている」(周辺)状況だ。
 高市氏の動向について、党関係者は「苦しんでいる人を助けて仲間を増やし、『次』に備えようとしているのだろう」との見方を示す。9月の総裁選では、議員票の比重が増える決選投票で石破茂首相に競り負けた。高市氏にとって党内の仲間づくりは最大の課題だ。
 岸田氏も精力的に全国を回っている。18日は旧岸田派の元職2人を応援するため、日本維新の会が強固な地盤を持つ大阪入り。「つかみ掛けた明るい兆しを継続できるかどうかが、この選挙で問われている」と述べ、岸田政権の政策継続を訴えた。
 岸田氏は1月、派閥解散の検討をいち早く表明。8月には、党総裁として裏金事件の責任を取って退陣する意向を示した。衆院選の全国行脚について、党関係者は「(同僚らに)迷惑をかけたとの思いがあるのだろう」と推しはかる。
 一方、旧岸田派でナンバー2の座長を務めた林芳正官房長官は、総裁選の1回目の投票で4位に食い込んだ。存在感を増す林氏に対し、「(党内で)影響力を残したい」(旧岸田派関係者)との思惑もありそうだ。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集