鳥インフル発生、過去最も早く=感染拡大、鶏卵価格上昇に懸念
高病原性鳥インフルエンザの感染が17日、北海道厚真町の養鶏場で確認された。養鶏場では今シーズン初めて。鳥インフルは例年、秋から春にかけて広がるが、今回は過去最も早い時期の発生となった。今後頻発する可能性があり、鶏卵価格の一段の上昇も懸念される。
「全国どこで発生してもおかしくない状況だ」。小里泰弘農林水産相は同日、農水省で開いた対策本部の会合で危機感をあらわにした。
北海道では、9月30日に回収されたハヤブサの死骸から高病原性鳥インフルのウイルスが検出されていた。石破茂首相は首相官邸で記者団の取材に「初動対応が重要だ。政府一体となって、迅速に対応をしていく」と強調した。
これまで最も早く感染が確認されたのは、2022年度の10月28日。このシーズンは過去最多の約1771万羽が殺処分され、供給減により鶏卵価格が高騰した。JA全農たまごによると、23年4月と5月の1キロ当たりの卸値の平均基準値(Mサイズ、東京相場)は350円に達し、それぞれ記録が残る1954年以降の最高値を更新した。
これに対し、今シーズンは22年度より11日早く発生した。鶏卵価格は、既に猛暑の影響や外食需要の増加などにより10月17日時点で280円と例年よりも高い。今後の見通しは不透明だが、感染が拡大すれば価格高騰の可能性もある。
政府は防疫対策に全力を挙げる構えだ。特にこれまで発生したことのある養鶏場やその周辺は再発リスクが高く、今回発生した養鶏場も過去に発生が確認されていた。養鶏業者に対しては、異常時の迅速な連絡に加え、野生動物が侵入しないよう穴をふさぐといった対策の徹底を要請。柵を設けるなどして農場を分割管理する取り組みも求めている。
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