2024-10-17 18:46スポーツ

迷走続く「常勝」軍団=鹿島、またも監督交代―Jリーグ

鹿島の監督を解任されたポポビッチ氏(左)=5月19日、カシマスタジアム
鹿島の監督を解任されたポポビッチ氏(左)=5月19日、カシマスタジアム

 Jリーグ屈指の名門、鹿島が迷走している。今季就任したポポビッチ前監督が今月初旬に解任され、J1リーグ戦6試合を残して強化体制を刷新。異例のタイミングで再出発を切る。
 最多の主要20冠を誇るが、近年は「常勝」と呼ぶにはふさわしくない。最後に獲得したタイトルは2018年のアジア王者。今季も逆転でのリーグ優勝は極めて厳しい状況で、クラブとして最長を更新する8年連続の国内無冠が濃厚だ。指揮官は、大岩剛氏が19年に退任して以降、ポポビッチ氏の後任の中後雅喜氏が実に6人目となる。
 クラブの空気が変わりつつあるのは確か。19年に経営権がフリーマーケットアプリ大手のメルカリに移って以降、人材の新陳代謝が進んだ。あるOBは「かつての鹿島ではない」と口にする。ピッチ上でも、鹿島の礎を築いたジーコ氏に始まったブラジル路線から一転。22年に初めて欧州出身のバイラー氏を監督に招聘(しょうへい)したが、早々に見切りをつける結果に。明確なスタイルが確立されていないままだ。今季は上位を争ってきたが、終盤に向かうにつれて失速した。
 強化責任者にはOBで元日本代表の中田浩二氏が新たに就いた。現役時代は鹿島の黄金期を支え、5度のリーグ優勝を経験するなど、「常勝」の味を知る存在。小泉文明社長は「中長期的な視点での強化戦略が求められている。勝利を追求するという伝統を守りながら、チームを発展させる必要がある」と覚悟を口にする。目に見える結果が求められる。
[時事通信社]

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