武装解除なしに「停戦あり得ず」=対ヒズボラでイスラエル首相
【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は15日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦の可能性について、「再武装や再集結を防ぐ合意でなければ同意しない」と言明し、ヒズボラの武装解除なしに停戦合意はあり得ないとの考えを示した。フランスのマクロン大統領との電話会談の内容をイスラエル首相府が発表した。
ネタニヤフ氏はこの中で、対ヒズボラ作戦の継続は、イスラエル北部住民に対する脅威を防ぐためだと強調。「レバノンが元の状態に逆戻りするような一方的な停戦」には反対するとした。
これに対しヒズボラのナンバー2、カセム師は対イスラエル攻撃を止める唯一の解決策は停戦だと述べている。
イスラエル軍はレバノン各地で空爆を続行。米国務省のミラー報道官は15日、「過去数週間、われわれが見てきたやり方での攻撃には反対する」とイスラエルに苦言を呈したが、軍は16日早朝にも首都ベイルート南郊にあるヒズボラの地下武器庫などに空爆を加えた。また、レバノン保健省は、南部ナバティエの市庁舎が攻撃され6人が死亡したと発表。市長も犠牲になったとの情報がある。
一方、パレスチナ自治区ガザの人道危機も深刻化している。AFP通信によると、国連児童基金(ユニセフ)報道官は15日、昨年10月のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘開始以降、最も援助物資が届きにくい状況に陥っていると指摘。「先週の数日間は(物資を積んだ)トラックが(ガザに)入れなかった」と訴えた。
ロイター通信によれば、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は連名でイスラエル政府に書簡を送り、30日以内にガザの人道状況を改善しなければ米国の軍事支援を削減する可能性があると伝えた。13日付の書簡は、イスラエルによるガザへの「著しい」物資搬入制限を批判しているという。
[時事通信社]
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