レバノン首都中心部に空爆、22人死亡=ヒズボラ幹部重傷か―イスラエル
【カイロ時事】イスラエル軍は10日、レバノンの首都ベイルート中心部に空爆を加え、同国保健省によると22人が死亡、117人が負傷した。首都中心部への攻撃の死者数としては、イスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘開始以降で最多。アラブメディアは11日、空爆の標的となったヒズボラ幹部のワフィク・サファ氏が重傷を負ったと報じた。
サファ氏はヒズボラの連絡調整部署のトップを務め、レバノン治安当局とも緊密とされる。イスラエル軍が最高指導者ナスララ師らを相次ぎ殺害する中、サファ氏は生存している有力幹部の一人だ。同氏を狙った10日の空爆は、集合住宅などが密集した地区に事前の退避通告なく行われ、イスラエルが地上侵攻したレバノン南部から逃れてきた家族らが死亡した。
イスラエル軍は11日、同国北部にレバノン側から対戦車ミサイルが撃ち込まれたと発表した。地元メディアは、タイ人労働者1人が死亡したと報道。同所は避難地域に指定されていた。イスラエル軍はヒズボラの対戦車ミサイル部隊の司令官を空爆で殺害した。
一方、米ネットメディア「アクシオス」によると、イスラエル政府は10日夜に治安閣議を開き、イスラエルに弾道ミサイル攻撃を加えたイランへの報復措置などを議論した。
アクシオスは、イスラエルのネタニヤフ首相とバイデン米大統領が9日の電話会談で、イランへの報復を巡り「共通理解に近づいた」と報道。イスラエルの報復計画はホワイトハウスが望むより強力な内容となっているものの、イスラエル当局者は米国との隔たりが狭まったと考えているという。
[時事通信社]
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