期待に応えたドラフト1位=武内、10勝に防御率2位―プロ野球・西武
3年ぶりのパ・リーグ最下位に沈んだ西武にあって、新人左腕の武内夏暉投手(23)の存在はチームの未来を明るく照らしている。先発ローテーションを守り、10勝をマーク。防御率も2.17でリーグ2位に食い込み、新人王最有力との呼び声は高い。
初登板から5連勝と好スタートを切った後に壁にぶつかり、8月11日から4連敗。疲れはあったが「気持ちを切らさずやってきた」。我慢を貫いて9月16日のロッテ戦で快投。初完封で自身の連敗を止めて上昇気流に再び乗り、3連勝でシーズンを締めくくった。
国学院大時代、西武スカウト陣の評価は「別格」。その才能をさらに伸ばしたのが、ベテラン捕手の炭谷とのコンビだった。直球、ツーシームが軸だった配球にカーブをプラス。不得手とすら思っていた球種だが、「自信を持っていいぞ」と励まされ、試合でも要所で求められた。打者の目先を変えるアクセントになり、決め球の選択肢も広がった。日本ハムを8回無失点に封じた9月30日の今季最終登板後、「(カーブは)本当に成長した」と自ら強調。「導いてくれた人」と、炭谷への感謝も忘れなかった。
シーズン中は渋い顔が多かった渡辺監督代行も、武内の活躍については「満点。自己管理や体のケアもしてシーズンを全うしてくれた」と絶賛。本人にとっても「100点」と文句なしの1年だった。今季のチームは低迷したが、武内、今井の「10勝コンビ」や9勝の隅田を擁する先発陣が強力なことは揺るがない。来季の武内は、もはやその先頭に立つ役割を求められる。
[時事通信社]
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