買収再提案、7兆円に=カナダ大手、額引き上げ―セブン&アイ、社名変更も検討
セブン&アイ・ホールディングスは9日、カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシォン・クシュタールから買収の再提案を受けたことを明らかにした。関係者によると、アリマンタシォンは買収額を当初の6兆円規模から約7兆円に引き上げた。このほか、セブン&アイが社名の変更を検討していることも判明した。
アリマンタシォンは9月中旬、新たな提案を出し、買収額を1株当たり18.19ドル(従来14.86ドル)に引き上げた。セブン&アイはこれを受け、「法的拘束力のない非公開の再提案を受領したことは事実」とのコメントを発表した。独立社外取締役で構成する特別委員会が提案を精査しているとみられる。
同社は7月下旬ごろに買収提案を受け、9月に「当社の価値を著しく過小評価している」などと拒否する書簡を送付していた。
一方、社名変更には主力のコンビニ事業に注力する姿勢を投資家に示す狙いがあり、グループ祖業のイトーヨーカ堂の頭文字が由来とされる「アイ」が消える可能性もある。セブン&アイは苦戦が続くヨーカ堂の早期売却を検討するなど、収益力向上を狙ったグループ再編を急いでいる。買収の危機にさらされる中、事業の実態に合わせた社名変更で心機一転を図り、企業価値向上に全力を注ぎたい考えだ。
[時事通信社]
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