2024-10-08 20:45

AI技術開発の米カナダ2氏に=機械学習の基盤築く―ノーベル物理学賞

 スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2024年のノーベル物理学賞を、人工知能(AI)の基盤となる機械学習の基礎的手法を開発した米プリンストン大のジョン・ホップフィールド名誉教授(91)とカナダ・トロント大のジェフリー・ヒントン名誉教授(76)の2氏に授与すると発表した。
 ホップフィールド氏は1980年代、人間の脳が神経細胞(ニューロン)同士のつながりによって情報処理を行う「ニューラルネットワーク」をモデル化し、効率的にデータ処理を行う手法を開発。ヒントン氏はさらに、膨大なデータを利用した学習によって特徴や法則性を見つけ出す手法へと発展させ、画像や音声の認識技術につなげた。
 当時は、学習に使う膨大なデータを用意することは難しく、コンピューターの演算能力も限られていたが、2000年代以降、インターネットの発達と演算能力の向上で飛躍的進化を実現。現在のようなAIが幅広く利用される社会の基盤を築いた。 
 授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれ、賞金1100万スウェーデンクローナ(約1億6000万円)が半分ずつ贈られる。

 
 ◇受賞決定者の略歴
 ジョン・ホップフィールド氏 1933年米国生まれ。58年コーネル大で博士号取得。64年プリンストン大教授、80年カリフォルニア工科大教授、97~2008年再びプリンストン大教授、その後名誉教授。22年ボルツマン賞受賞。
 ジェフリー・ヒントン氏 47年英国生まれ。78年エディンバラ大で博士号取得。87年カナダ・トロント大教授、98年ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)のユニット長、01年から再びトロント大教授、14年名誉教授。16年「NEC C&C財団」のC&C賞、19年本田賞、21年ディクソン賞受賞。
[時事通信社]

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