長年の射撃訓練で難聴発症=陸自隊員が国提訴―札幌地裁
長年の射撃訓練で難聴を発症し、その後聴力が低下し続けたのは、国が適切な予防措置や指導を行わなかったためだとして、陸上自衛隊北部方面総監部(札幌市)所属の中村俊太郎1等陸尉(50)=北海道恵庭市=が4日、国に約9200万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こしたと明らかにした。提訴は7月25日付。
訴状などによると、中村1尉は1993年の入隊後、2022年まで毎年射撃などの騒音を伴う業務に従事していた。入隊時、聴力に異常はなかったが、97年から耳鳴りが始まり、21年9月には同僚の話が聞き取れないほど悪化したため、病院を受診。国から公務災害と認定された。
記者会見した中村1尉は、公務災害と認定されていない21年より前の難聴症状について、陸自が聴力が低下した隊員に受診を促したり、十分な教育・啓発を行ったりしていなかったためだと主張。「自覚症状が乏しい隊員も多い。訴訟を通じて若い隊員に(難聴になる危険性を)知ってほしい」と訴えた。
陸上幕僚監部広報室の話 係属中の訴訟に関することはお答えできない。
[時事通信社]
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