訪日客の相談、再び増加=コロナ禍前の8割に―国民生活センター
日本を訪れる外国人からの、宿泊や買い物に関するトラブルの相談が増えている。国民生活センターに寄せられた2023年度の電話相談件数は2年連続増の227件で、新型コロナウイルス流行前の約8割まで戻った。24年度も円安などの影響で訪日客は増えており、同センターは「日本文化に関心のある訪日客が庶民的な店も訪れるようになった。店側は外国人が来ても慌てないように心構えをしてほしい」としている。
同センターによると、227件のうち最も多かったのは宿泊に関する相談で56件。「部屋が狭い」「害虫が出た」など施設の質に関するもののほか、「キャンセルしたが返金されなかった」など事業者の説明や客の認識不足によるものもあった。
文化やマナーの違いが目立ったのは居酒屋など飲食店関係で、「説明なく席料(お通し代)を請求された」「食べ物を持ち込んだら注意された」などの相談があった。中には「客引きされた店で高額な請求をされた」などぼったくり被害の訴えもあった。
国民生活センターは18年12月、外国人向けの電話相談窓口「訪日観光客消費者ホットライン」を開設し、現在は英語や中国語など7カ国語に対応。訪日客からの相談件数は19年度が264件だったが、その後のコロナ禍で激減し、21年度は10件だった。同ホットラインのウェブサイトには、よくある相談とその回答例が掲載されている。
[時事通信社]
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