雨で二重被災、遠のく再建=地震9カ月、住居・インフラ打撃―石川・能登
能登半島地震から1日で9カ月を迎えた。先月21日に半島北部を襲った記録的豪雨により、復旧途上にあった住まいやインフラが再び打撃を受け、生活再建のさらなる遅れが懸念される。
石川県によると、1日時点の避難者は、豪雨が454人のほか、地震でも348人に上る。入居が進んでいた仮設住宅では、輪島、珠洲両市の6団地が床上浸水し、住民は復旧工事のため退去を迫られている。
輪島市宅田町の仮設住宅では、坂門善明さん(61)が家財の運び出しに追われた。地震で自宅が全壊し、5月に入居したばかり。「年内には戻れると言われたが、戻っても警報が鳴るたびにびくびくしないといけない」と不安を拭い切れない。
大雨に伴う土砂崩落により、県が管理する道路28カ所が寸断されたまま。地震で一部が崩落し、豪雨で拡大したとみられるケースが複数あり、今後の降雨による被害も懸念される。
約5000戸に上った断水箇所は約6割で解消されていない。珠洲市大谷町では浄水場に土砂が堆積し、復旧のめどが立っていない。
地震により進んでいた人口流出がさらに加速する恐れも。県が1日発表した人口推計によると、地震で被害が大きかった奥能登2市2町の人口は、元日からの8カ月間で3748人(6.8%)減った。
県のまとめでは、地震による死者は、審査会が災害関連死と答申した人を含め412人となる見通し。豪雨の死者は1日時点で13人となっている。
[時事通信社]
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