政治改革、実効性が焦点=「防災省」創設に賛否―石破新内閣の課題・内政
石破茂首相は、自民党派閥の裏金事件を受けた政治改革で早速、指導力を問われることになる。実効性のある具体策を取りまとめ、国民の信頼回復を図ることができるかが焦点。自民党総裁選で掲げた「防災省」創設も賛否が交錯している。
「政治とカネ」の問題を巡り、首相は「ルールを守っているか検証される仕組みをつくらなければならない」と述べ、政治資金の透明性向上に意欲を示している。政策活動費の扱いに関し、総裁選では「廃止も選択肢」と提起。改正政治資金規正法で検討事項とされた政治資金を監査する第三者機関の設置も急務だ。
首相はまた、政党運営の在り方などを定めた「政党法」制定も主張している。
「防災省」創設に関しては当面、内閣府の防災部門の人員・予算拡充に努める方針。その後、同府の外局として「防災庁」を立ち上げ、省昇格につなげる道筋を描く。今回の組閣では、側近の赤沢亮正経済再生担当相に「防災庁設置準備担当」を兼務させた。
ただ、政府・与党内には「現行の体制で災害対応は可能だ」などと否定的な意見がくすぶる。今後、首相の本気度が試されそうだ。
地方創生の取り組みも重視している。総裁選では、人口減少対策として婚姻率を引き上げる重要性に言及。「若い女性に選ばれる地方」づくりを訴える。
憲法改正に関し、自民党は9条への自衛隊明記と緊急事態条項の創設を優先課題と位置付けている。首相も戦力不保持を定めた「9条2項」削除の持論を封印。在任中の発議を目指す構えだが、立憲民主党などとの協議は難航必至で、進展は見通せないままだ。
前向きな姿勢を示す選択的夫婦別姓制度の導入も、党内に反対論が根強く、意見集約を図るのは容易ではない。
[時事通信社]
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