中朝ロ活発化、対処が急務=「核共有、在米基地」道筋見えず―石破新内閣の課題・安全保障
石破政権は、中国やロシア、北朝鮮が日本周辺で軍事活動を活発化させていることを受け、厳しさを増す安全保障環境への対処が喫緊の課題となる。8月以降、中ロ両軍の領空侵犯や領海侵入、北朝鮮による弾道ミサイル発射などが相次ぐ。今月は衆院解散・総選挙が予定されており、「政治空白」と取られないよう警戒監視に万全を期す。
防衛力の抜本強化は2023~27年度で約43兆円を投じる。物価高や円安の影響で当初の想定より経費が膨張し、防衛力整備計画の見直しが必要となる可能性もある。石破茂首相は、安定財源の確保が目的の防衛増税の必要性を唱えており、年末に予定する税制改正大綱に盛り込めるかどうか指導力が問われる。
来春には陸海空3自衛隊を一元指揮する「統合作戦司令部」が発足し、来年度から反撃能力(敵基地攻撃能力)保有に向けた国産長射程ミサイルや米製巡航ミサイル「トマホーク」の配備が始まる。日米の指揮統制面の連携深化が課題だ。
自民党総裁選で掲げた独自政策の行方も焦点。米国の核兵器運用に参加する「核共有」は、国是の非核三原則との整合性など議論を呼ぶのは必至だ。米国への自衛隊基地設置も含め、米側との調整は難航するとみられ、道筋は不透明だ。
[時事通信社]
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