みらい、北極航海終了=ラッコやアシカが出迎え
【みらい船上・時事】8月下旬に青森県むつ市から出航し、北極観測を行ってきた海洋地球研究船「みらい」が30日、下船地である米アラスカ州ダッチハーバーに到着した。1カ月余の航海中、40カ所以上で観測を実施。北緯76度9分、西経167度45分が今航海で最北の到達点だった。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用するみらいは、世界で最も速く温暖化が進む北極の環境変化を研究するため、ほぼ毎年北極航海を行っている。今回も窒素やリンなどの「栄養塩」や「アルカリ度」などのデータを得るための採水に加え、海氷や泥、プランクトンの採取、海中ドローンの運航試験を行った。
「データや知識として北極を学んできたが、実際に北極を五感で感じ取ることができて良い経験になった」と初めて北極航海した東京海洋大大学院生の神山一寛さん(23)。北極海については「ずっと霧がかかって波も静か。動物もおらず、何かが起きているような不気味な印象を受けた」と語った。
北極海から南下中には、ベーリング海で美しい夕焼けが見られたほか、数頭のクジラも。ダッチハーバー入港時には、ラッコやアシカが出迎えてくれた。
2026年度には日本で初めて砕氷機能を持つ北極域研究船「みらいII」が完成する予定。みらいの北極航海は来年が最後となる。
[時事通信社]
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