レバノン境界で「小規模作戦」実施か=イスラエル軍、ヒズボラ拠点排除目的
【エルサレム時事】イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの交戦を巡り、米ABCテレビは29日、イスラエル軍がレバノン領内に侵入する小規模な作戦を「開始したか、間もなく開始しようとしている」と報じた。対イスラエル境界沿いのヒズボラ拠点排除が目的。米当局者2人の話として伝えた。
米当局者によると、イスラエルはレバノン南部への本格的な地上侵攻を行うかどうか最終決定には至っていない。ただ、準備は整っているという。イスラエルは、ヒズボラの攻撃により避難した北部住民の「安全な帰還」を名目にヒズボラを徹底的に攻撃。レバノン南部に緩衝地帯を設置する構想があるとも伝えられている。
イスラエルのネタニヤフ首相は28日のテレビ演説で、ヒズボラの指導者ナスララ師殺害に関し、住民帰還や「地域のパワーバランスを変えるために必要だった」と強調した。ヒズボラなどからの報復を念頭に「今後数日中に重大な試練に直面する」とも述べた。
イスラエル軍は27日にレバノンの首都ベイルート南郊への空爆でナスララ師を殺害した。29日、この攻撃で同師と共に側近幹部を含む20人以上の「テロリスト」が死亡したと発表。攻勢を緩めず、同日もベイルート南郊などへの空爆を続けた。
[時事通信社]
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