食料安保、日本と協力強化=ウクライナも支援―IFAD総裁
【ニューヨーク時事】国際農業開発基金(IFAD)のアルバロ・ラリオ総裁は29日までに米ニューヨークで時事通信のインタビューに応じた。食料安全保障の確立や小規模農家の生産性向上を目指し、日本と協力を強化すると表明。ロシアが侵攻を続けるウクライナの農業支援にも力を入れると強調した。
ラリオ氏は、IFADがUCC上島珈琲(神戸市)や丸紅などと連携し、アフリカ東部タンザニアの小規模コーヒー農家に対する生産支援に取り組み始めたことを紹介。輸出を促進し、途上国の農家の収入が増えるよう後押しするため、「(他の)日本企業との協力を広げたい」と表明した。
一方、日本の食料自給率はカロリーベースで3割と、先進7カ国(G7)で最も低い。ラリオ氏は、コロナ禍やウクライナ戦争で供給網が混乱したことを受け、「食料を輸入に頼る国はショックに対して不安定になりやすい」と説明。食料安保の強化には、国内生産や輸入先の拡大が重要だと指摘した。
昨年2月には、世界有数の穀倉地帯であるウクライナのIFAD加盟が決まった。ラリオ氏は、ロシア侵攻で甚大な被害を受けたウクライナの農地やインフラの復旧支援に向け、「いかに小規模農家の努力を支えるか議論している」と語った。
[時事通信社]
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