独コメルツ銀の買収視野か=株式21%保有へ―伊ウニクレディト
【パリ時事】イタリア金融大手ウニクレディトは23日、ドイツ同業コメルツ銀行の株式を買い増し、保有比率を約21%に引き上げると発表した。ドイツ政府は同行の経営の独立を支持しており、ウニクレディトは敵対的買収を視野に入れているとの観測も浮上している。
コメルツ銀は2008年の金融危機を受け、公的資金による資本注入を受けた。独政府は今月、保有する同行株を一部放出。ウニクレディトがこれを取得し、保有比率を約9%とした。23日には11.5%積み増す方針を決めた。
これより先、ウニクレディトのオーセル最高経営責任者(CEO)は独紙に対し、コメルツ銀のM&A(合併・買収)が「大きな付加価値の創出になる」と訴えていた。
一方、コメルツ銀のクノッフCEOは「自分たちの経営計画を信じている」と反発。独政府も20日の声明で「コメルツ銀は安定し、収益力もある」と主張、買収に反対する意向をにじませた。
ただ、欧州の金融界では、国境をまたいだM&Aによって業界再編を進め、競争力を高めるべきだという意見も根強い。
[時事通信社]
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