慰安婦像、撤去か残置か=「違法状態」代替模索―ベルリン
【ベルリン時事】ベルリン市ミッテ区の街頭にある従軍慰安婦を象徴する少女像について、区は、設置した韓国系市民団体に今月内の撤去を要請している。一方、団体は残置を求め、区議会もこれを支持。ただ、通常は求められる公募プロセスを経ずに長期展示されている現状は「違法状態」(区長)で、私有地への移転など代替策が模索されている。
慰安婦像は2020年9月にベルリンの市民団体「韓国協会」が設置した。当初1年とされた設置期限を大幅に過ぎているが、区はこれまで容認してきた。
像の碑文には、旧日本軍によって「性奴隷」にされたと記載がある。在独日本大使館は、像について「日本の平和国家としての歩みを無視し、永続的に非難する象徴のようなものだ」と抗議し、強く撤去を求めてきた。
区議会は今月19日、残置を求める決議を賛成多数で採択した。主導した区議らは「韓国だけでなく、すべての女性の問題だ」などと主張。ただ、決議に法的拘束力はない。
区長は、日韓双方から圧力にさらされていると窮状を訴えており、ベルリン市(州と同格)や連邦政府と対応を協議。私有地移転や、趣旨を踏まえた別の形での展示などの代替措置について、設置団体と話し合い、自主的な撤去を求める意向だ。ただ、残置を求める声は根強く、早期に解決するかは見通せない。
[時事通信社]
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