米政府閉鎖回避、なお不透明=迫る年度末、予算案で続く与野党調整
【ワシントン時事】米国の2024会計年度(23年10月~24年9月)末を控え、予算切れによる政府機関の一部閉鎖を回避できるか不透明感が漂っている。期限の30日が迫っているが、閉鎖回避に不可欠なつなぎ予算案成立のめどが立っていないためだ。大統領選の共和党候補、トランプ前大統領の主張が同党に影響を及ぼす中、議会では与野党の協議が続いている。
下院で過半数を占める共和党が今月提案したつなぎ予算案には、有権者登録に際し、米国市民権に関する書類の審査を求める法案が含まれた。不法移民の投票を防ぐのが狙いだ。ただ、上院で多数派の民主党が市民権審査法案に反対しており、議会通過はそもそも見込めなかった。
こうした状況にもかかわらず、ジョンソン下院議長(共和党)は18日、予算案を採決。共和党から造反者も出て、同案はあえなく否決され、先行きが一段と見通せなくなった。
予算案を巡る混乱の背景には、トランプ氏が市民権審査法案を強く支持していることもありそうだ。ジョンソン氏はトランプ氏に非常に近い。不法移民対策強化を訴えるトランプ氏は、市民権審査が含まれないなら「共和党議員はどんな形であれ、つなぎ予算案に賛成すべきではない」とくぎを刺し、政府機関の閉鎖回避よりも不法移民対策にこだわる。
一方、トランプ氏と距離を置く共和党上院の重鎮、マコネル院内総務は11月の大統領選や議会選を前にした政府閉鎖は「政治的には非常に愚かだ」と断言。「閉鎖を回避するなら何でも支持する」と、事態打開に向け柔軟に対応する姿勢を示した。
[時事通信社]
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