パンダのiPS細胞を初作製=将来は繁殖に応用―中国チーム
ジャイアントパンダの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を初めて作ったと、中国四川省成都市の「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」などの研究チームが20日付の米科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した。マウスではiPS細胞を精子や卵子に変える技術が実現しており、将来はパンダのiPS細胞からの精子や卵子を使った体外受精により繁殖させることを目指すという。
iPS細胞からの精子や卵子を繁殖に直接使わなくても、実験容器内で受精させて胚を作り、成長過程を詳細に調べることができれば、自然交配や人工授精による繁殖の成功率を向上させるのに役立つと期待される。
研究チームは、13歳の雌と14歳の雄から採取した皮膚の線維芽細胞を使用。導入する遺伝子群などを工夫し、パンダに適したiPS細胞の作り方を明らかにした。
人為的に精子や卵子を生み出すには、体外受精でできた胚の内部細胞塊を採取し、実験容器内で培養して作る胚性幹細胞(ES細胞)を利用する方法も考えられる。しかし、パンダの場合は健康な若い雌パンダから卵子を採取すること自体が困難だという。
[時事通信社]
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