「理念に沿って務めてきた」=石渡氏ら2委員が退任会見―規制委
原子力規制委員会の石渡明委員(71)と田中知委員(74)が18日、10年間の任期を終えて退任した。記者会見で石渡氏は「(規制委の)組織理念に沿って科学的な審査をやるよう務めてきた」とこれまでを振り返った。
石渡氏は昨年、規制委が原発の「60年超運転」を可能にする法改正の方針を決定した際に1人だけ反対姿勢を貫いた。当時の心境について「原子炉等規制法の柱だった(運転期間の)原則40年をなくすことに納得できなかった」と述べた。
日本原子力発電敦賀原発2号機の新規制基準への適合性を検討する審査チームを率い、原子炉建屋直下の断層について「活断層であることを否定できない」との結論を出した。一部から「(事業者側にとって)悪魔の証明だ」との声が上がっていることについて石渡氏は「すでに12基の原子炉が審査に通っている。大した悪魔ではない」と切り捨てた。
一方、田中氏は「規制委発足から12年がたつ中でいろいろな課題が出て来る。事務局と連携しながら(課題を)しっかりやる必要があると思う」と述べた。
[時事通信社]
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