補償法案、国の謝罪明記=被害者本人に1500万円―強制不妊で骨子了承・超党派議連
旧優生保護法に基づく強制不妊手術の被害者救済を目指す超党派議員連盟は18日、国会内で総会を開き、補償法案の骨子を了承した。前文に国を主体とする謝罪を明記。手術を受けた本人に1500万円、配偶者に500万円を補償し、人工妊娠中絶の被害者には一時金200万円を支給することが柱で、秋の臨時国会での成立を目指す。
2019年に成立した現在の救済法は「我々」が反省とおわびをするとしたが、謝罪の主体を国と明記していなかった。議連は、国の賠償責任を認定した今年7月の最高裁判決を踏まえ、素案の前文に「国会および政府は、憲法に違反する立法行為を行い、これを執行してきたことについて、悔悟と反省の念を込めて深刻にその責任を認め、心から深く謝罪する」と記した。
強制不妊手術や人工妊娠中絶に関する調査を国が行い、原因究明や再発防止のための措置について検証することも盛り込んだ。
救済法で既に一時金の支給を受けた人も補償の対象となる。本人や配偶者が死亡した場合は遺族が請求できる。人工妊娠中絶の被害者には、回数や中絶後の出産の有無にかかわらず、慰謝料として一律200万円を支給する。
被害認定は、こども家庭庁に設置する審査会が実施する。手術記録がなくても、証言などから「明らかに不合理ではなく、確からしいこと」が確認できれば補償対象とする。請求する被害者を弁護士会が支援する体制も整える。補償金の請求期限は、法施行から5年を想定。被害者への個別通知は各都道府県の運用に委ねる。
議連会長の田村憲久自民党政調会長代行は総会で「被害者の皆さまも年々お年を召されている。なるべく早く法律を通し、給付につながるよう努力していきたい」と述べた。
◇新たな補償法案骨子のポイント
一、「国会および政府は、憲法に違反する立法行為を行い、執行してきたことについて責任を認め、心から深く謝罪する」と前文に明記
一、強制不妊手術を受けた本人に1500万円、配偶者に500万円を補償
一、人工妊娠中絶を受けた人には慰謝料として一時金200万円を支給
一、強制不妊手術や人工妊娠中絶に関する調査を国が行い、原因究明や再発防止のための措置について検証
[時事通信社]
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