2024-09-18 21:51

コロナ融資を違法仲介容疑=福祉医療機構元理事ら3人逮捕―64.5億円分に関与か・警視庁

 新型コロナ関連の融資を受けられるよう違法に仲介し、融資先から手数料を受け取ったとして、警視庁捜査2課は18日、貸金業法違反(無登録営業)容疑で、独立行政法人「福祉医療機構(WAM)」の元理事、三浦由博容疑者(67)=東京都品川区大井=ら3人を逮捕した。いずれの認否も明らかにしていない。
 同課によると、三浦容疑者はWAM元理事の肩書を悪用。コロナ禍で資金繰りに苦しむ医療法人や社会福祉法人など全国約40法人へのWAMの融資計約64億5000万円分について仲介し、手数料として計約5億円を受け取ったとみられる。
 他に逮捕されたのは、三浦容疑者が実質支配する医療福祉コンサルタント会社「ヘルスケア基盤整備機構」役員の北村隆史容疑者(62)=大阪市西区北堀江=と、同容疑者の長男で同社監査役の健次容疑者(39)=同市中央区徳井町。
 3人の逮捕容疑は2020年3~8月ごろ、貸金業の登録がないのに、医療法人など5法人がWAMの新型コロナ関連融資計約10億円を受けられるよう違法仲介した疑い。
 同課によると、5法人からは手数料名目で計約1億1000万円を受け取っていた。 
 三浦容疑者らは医療法人などに対し、「WAM元理事の口利きで審査の優先順位が上がり、確実に融資を受けられる」と持ち掛けていた。一方で、WAMにはヘルスケア機構が作成した申請書類を提出。元部下らに貸し付けを希望する法人名を伝え、審査の進捗(しんちょく)を確認したり、対応を促したりしていた。
 WAM側が三浦容疑者らの働き掛けを受け、審査の優先順位を上げた形跡は確認されなかった。
 三浦容疑者はみずほ銀行出身で、17年10月~19年9月にWAM理事を務めた。退任後の19年10月にみずほ銀役員となったが、肩書を隠して仲介を続けていた。
 WAMの担当者は取材に「捜査中なので、コメントを差し控える」と答えた。
[時事通信社]

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