賜杯と大関、現実味増す=大の里、霧島を一蹴―大相撲秋場所
注目の一番はあっけなく終わり、際立ったのは大の里の強さばかりだった。1差で追っていた関脇霧島を直接対決で一蹴し、初日から無傷の10連勝。幕内5場所目で2度目の賜杯獲得と、大関昇進がいよいよ現実味を帯びてきた。
立ち合いの圧力を恐れたのか、大関経験者が左に変わったが、「落ち着いて対応できた。集中できていた」と大の里。すぐに向き直って得意の右を差し、さらに進境著しい左のおっつけで霧島の上体を浮かせて前へ。隙を見せずに寄り切った。
白星を2桁に乗せ、大関昇進の目安とされる三役での直近3場所の合計33勝まであと2勝に。八角理事長(元横綱北勝海)が「大関(の話)は終わってから。ただ、全勝できているのはイメージがいい」と語るなど、機運は熟しつつある。
1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、10日目を終えて全勝の力士が、星二つの差で追っていた力士に逆転優勝を許したのは2例しかない。大の里は「先のことは考えず、目の前の相手に集中する」。表情を一切、緩めることはなかった。
[時事通信社]
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