若隆景、光る粘り腰=我慢強く2敗堅持―大相撲秋場所
1分半ほどに及んだ長い取組を物にし、古傷を抱える右膝の不安を感じさせなかった。今の若隆景はしぶとい。うるさい翠富士をじっくり料理し、「集中して一生懸命相撲を取ろうと思っていた」。支度部屋で少し表情を緩ませた。
半身になって耐える小兵を相手に、「我慢負けしないように」と念じていた。右四つで組み合い、肩透かしも警戒しながら、ぐっと腰を下ろして好機を待つ。たまりかねて仕掛けてきたところで一気に体を寄せて勝負あり。余裕十分の取り口だった。
昨年の春場所で右膝に大けがをした。3場所連続の全休を経て幕下からはい上がってきた。懸命なリハビリのかいもあって、復活は当初の見立てよりも早かった。実直な姿で人気の元関脇。ファンからは土俵入りでひときわ大きな歓声を浴びている。
再入幕した先場所は11勝を挙げてさっそく存在感を示し、今場所も2敗を守って優勝争いに加わる。「しっかり自分らしい相撲を取りたい」。言葉通り、2年半前に賜杯を抱いた頃のような粘り強い攻めが光っている。
[時事通信社]
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