高齢者、身近な危険に注意=車いすや介護ベッド、死亡例も―NITE
電動車いすの脱輪や着ている衣服への着火、介護ベッドでの挟み込みも。16日の敬老の日に合わせ、NITE(製品評価技術基盤機構)が高齢者に起こりやすい事故への注意を呼び掛けている。命を落とすケースもあり、家族や介護従事者らにも「身近に危険がないか確認してほしい」と求めている。
NITEのまとめによると、電動車いすの利用に伴う60歳以上の高齢者の死亡事故は2015~23年で25件報告があり、23年は7件と最も多かった。介護ベッドでの死亡事故は同期間に28件で、年2~5件で推移。こんろやライターの火が衣服に移って亡くなった事故も4件あった。
和歌山県では18年6月、電動車いすで踏切内に入った70代男性が列車にはねられ死亡。前輪が線路内の砕石部分に脱輪したとみられる。福井県の80代女性は19年9月、側溝に電動車いすごと転落した状態で発見され、入院中に亡くなった。
こうした事故を防ぐには、利用する道路を介助者と事前に確認し、側溝にふたがない道などを避けることが効果的だ。脱輪しないよう道路の端に寄り過ぎないことも重要という。
介護ベッドでは、静岡県の80代女性が22年6月、手すりとマットレスの隙間に首を挟まれ死亡。介護用ポータブルトイレを使おうとして転び、背もたれと肘掛けの間に腕を挟まれ骨折した事故もあった。NITEはクッションや保護カバーを使って隙間をなくすことを勧めている。
奈良県の60代女性は22年10月、ガスこんろに置かれた調理器具を持ち上げる際、服のそでに火が付いて大やけどを負った。NITEは白内障が進行するとガスの青い炎が見えにくくなるとして、こんろ周辺に調味料などを置かないよう求めている。
[時事通信社]
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