2024-09-15 09:51

「6投目の北口」、土壇場で本領=最高のシーズン締めくくり―陸上DLファイナル

 女子やり投げの最終6投目。20歳の新鋭アドリアナ・ビラゴシュ(セルビア)が65メートル23をマークし、2投目から首位に立っていた北口は逆転を許した。これで心に火が付いた。「『6投目の北口』だから任せろ、って思った」
 観客に手拍子を求めて助走に入り、大きな放物線を描いた一投は今季自己最高の66メートル13。初優勝した昨年の世界選手権のように、大舞台の土壇場で勝負強さを発揮し、再び逆転して2連覇を遂げた。「大事なところでしっかり勝ち切れてよかった」。満面の笑みで日の丸を掲げた。
 パリ五輪で金メダルに輝き、練習拠点のチェコに戻った後、疲れが一気に出て腰痛に苦しんだ。約3週間ほとんど練習できず、不安を抱えて臨んだ五輪後の初戦。1投目から61メートルを超えたことで、「意外と投げられる」と安心できた。
 昨年、67メートル38の日本新記録を樹立した思い出のブリュッセルで、最高の形で充実のシーズンを締めくくった。来年は世界選手権東京大会が最大のターゲットとなる。「日本の皆さんの前で、連覇できるならしたい」。笑い声を響かせながら、輝く姿を描いた。(ブリュッセル時事)
[時事通信社]

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