「移民がペット捕食」SNS発端=トランプ氏発言で波紋広がる
【ワシントン時事】米共和党のトランプ前大統領が、中西部オハイオ州スプリングフィールドのハイチ系移民が「住民のペットを捕まえて食べている」と根拠に乏しい発言をしたことが、波紋を広げている。発端は情報源が曖昧な住民のSNS投稿。地元当局の再三の否定にもかかわらず、市役所や学校に爆破予告が寄せられる事態に発展した。
「ハイチ系米国人コミュニティーは攻撃を受けている。彼がやっていることをやめさせなければならない」。バイデン大統領は13日、ホワイトハウスで開かれたイベントでトランプ氏を批判した。
トランプ氏は10日の大統領候補テレビ討論会で、移民対策を批判する文脈でスプリングフィールドの話を持ち出した。ABCテレビの司会者が直ちに「地元当局によると、証拠は見つかっていない」と指摘したが、討論会後には爆破予告が相次ぎ、市役所は一時閉鎖。複数の学校の生徒も緊急避難を余儀なくされた。
米メディアによると、発端はスプリングフィールド在住の女性が近隣住民の伝聞情報としてフェイスブックに投稿した内容だった。SNSですぐに広がり、共和党の副大統領候補でオハイオ州選出のバンス上院議員が反応。さらにトランプ氏が取り上げた。
偽情報監視団体「ニュースガード」は最初の投稿を行った女性と近隣住民を特定し、インタビューを実施。近隣住民は「知人から話を聞いたという友人からの伝聞」と説明し、「私は信頼できる情報源ではない」と語った。
トランプ氏は13日、西部カリフォルニア州で記者会見を開いた。この話題に関する質問には直接答えず、「米史上最大の移民の強制送還を行う。スプリングフィールドから始めるつもりだ」と述べた。
[時事通信社]
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