静岡の原告2人が和解=強制不妊訴訟―東京高裁
旧優生保護法に基づく強制不妊を巡り、静岡県の80代女性と浜松市の武藤千重子さん(75)が起こした訴訟は13日、東京高裁で和解が成立した。原告側によると、国が「あってはならない人権侵害で多大な苦痛と苦難を与えたことを反省する」と謝罪し、それぞれに1650万円の和解金を支払う内容だという。
強制不妊を巡る一連の訴訟では、国と原告らが同日、和解に向けた合意書を締結。2人の和解は締結前に成立したが、合意書と同等の内容となった。
女性が起こした訴訟で静岡地裁は昨年2月、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を制限し、国に1650万円の賠償を命令。武藤さんについては同地裁浜松支部が今年5月、除斥期間を適用せずに同額の賠償を命じ、いずれも国が控訴していた。
和解成立後、武藤さんは取材に「本当に良かった。今夜から安心して眠れる」と笑顔。和解を区切りとして「これからはやりたいことをやりたい」と声を弾ませた。
[時事通信社]
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