裁判官の公選制導入へ改革案承認 メキシコ上院
【メキシコ市AFP=時事】メキシコ上院は11日、最高裁判事を含むすべての裁判官を公選制とする司法制度改革案を承認した。すでに下院を通過しており、今後17の州議会の承認を得る必要があるが、メキシコ政局は与党連合が支配的な立場にあるため、形式的なものと見なされている。その後、大統領の署名を経て正式に法として成立する。≪写真は、記者会見するメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領。メキシコ市で。大統領府提供≫
上院で行われた採決結果は賛成86、反対41で、憲法改正に必要な3分の2以上を満たした。裁判官の公選制を導入する国は、メキシコが初めてとなる。
10月に退任するアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領は、2018年の就任以来、エネルギーや安全保障分野で自身の政策推進を阻止してきた最高裁をことあるごとに批判してきた。
大統領はこの日の記者会見で、国民が裁判官を自由に選べるようになった時、大きな進展を遂げられると強調。「(司法制度の)腐敗と不処罰を終わらせることが極めて重要だ」と語った。
これに対し、野党や専門家は、強大な麻薬カルテルが賄賂や脅迫を通じて当局者に影響を及ぼすことが横行しているメキシコにおいては、選挙で選ばれた裁判官は犯罪組織の圧力に対し脆弱(ぜいじゃく)な立場に置かれる恐れがあると警告している。
上院ではこの日、司法制度改革に反対するデモ参加者が乱入し、審議が中断する場面もあった。デモには裁判所職員や法学生も参加。上院での法案通過後、再び街頭に繰り出した。【翻訳編集AFPBBNews】
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