円急騰、一時140円台=日経平均は7営業日続落―東京市場
11日の東京外国為替市場では、日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが膨らみ、円相場が一時1ドル=140円台に急騰した。昨年12月下旬以来、8カ月半ぶりの高値水準。円高進行を嫌気し、日経平均株価も一時前日比900円超安と大きく値を下げた。午後5時現在の円相場は141円37~38銭と前日比2円24銭の円高・ドル安。日経平均の終値は同539円39銭安の3万5619円77銭と7営業日続落した。
日銀の中川順子審議委員が午前の講演で利上げ継続に前向きな姿勢を示したことに加え、「米大統領候補のテレビ討論会で共和党のトランプ前大統領が劣勢だったとの見方が広がり、米長期金利が低下してドル売りが加速した」(国内銀行)という。市場はトランプ氏が掲げる大型減税などの政策がインフレを加速させ、米金利上昇を招くと警戒していた。
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げ決定が確実視されている。市場では「円高・ドル安圧力が一段と強まっている」(運用会社)との声が聞かれた。
株式市場は全面安の展開で、輸出関連株のほか、原油価格の下落を受けてINPEXなどのエネルギー株も値を下げた。東証プライム市場では9割以上の銘柄が下落。市場関係者からは「年初からの円安メリットが消えた」(銀行系証券)として、円高による企業業績の下振れを懸念する声が聞かれた。
日経平均が7営業日続けて値を下げたのは7月後半以来。9月に入り、海外機関投資家から割高感のある半導体株などに売りが出ていたもようだ。
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