2024-09-06 09:14社会

「パワーをもらえる」=初出場で金、若手社員に刺激―パラ卓球女子単・和田選手〔パラリンピック〕

所属する内田洋行で開かれた壮行会で、笑顔を見せるパラ卓球(知的障害)の和田なつき選手(前列中央)=7月26日、大阪市(同社提供)
所属する内田洋行で開かれた壮行会で、笑顔を見せるパラ卓球(知的障害)の和田なつき選手(前列中央)=7月26日、大阪市(同社提供)

 卓球女子シングルス(知的障害)の和田なつき選手(21)が、パラリンピック初出場で金メダルという快挙を達成した。所属するIT商社「内田洋行」(東京都中央区)の若手社員らは、和田選手の活躍ぶりに「パワーをもらえる」「自分たちも挑戦しないと」と大きな刺激を受けている。
 大阪府出身の和田選手は昨年11月に同社に入社。企業とアスリートをマッチングする日本オリンピック協会(JOC)の就職支援制度「アスナビ」の説明会がきっかけだった。「爽やかさと力強いプレゼンが印象に残った」。会場で和田選手の姿を見た人事課長の長谷川泰さん(48)は、気になる選手として和田選手の名前にチェックを付けた。
 後日、和田選手からJOCを通じて連絡があり、選考が始まった。選考を進めるに当たり、長谷川さんは「半分競技、半分仕事としてほしい」と希望を伝えた。「競技を応援するのは当たり前。長く勤めてもらえるよう、社員としても活躍できる人に育てたかった」と狙いを語る。
 現在は大阪支店に勤務。急な車内放送など大きな音が苦手なため、朝のラッシュ時間は避けているものの、1人で電車に乗って通勤する。職場では事務仕事のほか、社員だけが閲覧できるブログに、出場した大会の結果報告なども投稿している。ブログのタイトルは「和田なつきを応援しよう!!」。投稿には社員からの応援メッセージや、たくさんの「いいね」のスタンプが付いている。
 国際大会を次々制覇する急成長ぶりに、同世代の若手社員からは「パワーをもらえる」「自分たちも新しいことに挑戦しないと」といった声が上がっているという。社員の間でお互いを高め合う関係が生まれたことに、長谷川さんは「うれしい効果だ」と目を細める。
 「一生懸命で前向き」と和田選手の魅力を語る長谷川さん。「悔いのないように全力を出し切り、頑張る姿を見せてほしい」という期待に、結果で見事に応えた。 
[時事通信社]

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