「健常者との架け橋に」=17歳高校生、初の大舞台―ブラインドサッカー・平林選手〔パラリンピック〕
パリ・パラリンピックにブラインドサッカー代表として出場した平林太一選手=松本山雅B.F.C=はチーム最年少の17歳。チームは勝利を挙げられず8位に終わったが、「健常者との架け橋になりたい」と語っていた少年は、初めての大舞台で精いっぱい躍動した。
平林選手は幼い頃、網膜芽細胞腫で両目の視力を失った。しかし、抗がん剤を使う治療をしている時も病院の廊下を元気に歩き回り、1歳上の姉を追って遊ぶのが好きだったという。母小百合さんは「目が見えないと心配していたが、元気過ぎるくらいだった」と振り返る。
競技との出合いは小学1年の時に参加したブラインドサッカー協会主催のキッズキャンプ。幼少期からバレーや卓球などさまざまな競技を経験したが、サッカーを選んだのは一番自由に走り回れるからだという。「楽しんでもらうのが一番。外国の選手からも太一と呼ばれ、好かれるようになってほしい」と小百合さんは話していた。
「普通の高校生と一緒に生活したい」との思いから、高校は盲学校ではなく長野県松本美須々ケ丘高校(松本市)に通い、軽音部に所属する。担任の高砂健司教諭(59)は「『健常者と全盲の人の架け橋になりたい』と以前から話していた。世界を経験することがその糧になるのでは」と語っていた。
[時事通信社]
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