警備犬クセノ号、20年ぶりお手柄=山中で不明の高齢女性発見―警視庁
東京都青梅市の山中で8月、認知症の女性(81)が行方不明になり、約25時間後に保護された。女性の命を救ったのは警備犬クセノファネス号と、長男が女性に持たせていた全地球測位システム(GPS)だった。警視庁青梅署は4日、クセノ号に署長賞を授与した。同庁の警備犬が生存者を見つけたのは、2004年の新潟中越地震以来、20年ぶりという。
同署などによると、女性は8月24日朝、同市内の自宅を出た後に行方が分からなくなり、あきる野市に住む長男(42)が110番した。同署は女性が身に着けていたGPSの情報を基に山岳救助隊など約10人態勢で山中を捜索したが発見できなかった。
翌朝、警備犬2頭が加わり捜索を再開。約35分後、クセノ号が鼻を上げて駆け出し、追い掛けたハンドラーが斜面の下の草木が生い茂ったところで、しゃがみ込んでいた女性を見つけた。
取材に応じた長男は「前日の大雨で半分諦めていたが、生きていてくれて本当に安堵(あんど)した。犬が見つけてくれたと聞き、驚いた。ご褒美をあげてほしい」とほほえんだ。
クセノ号はジャーマンシェパードの雄で5歳。これまでに21年7月の静岡県熱海市の土石流災害や東京五輪警備などの現場を経験した。明るく、捜索意欲が高いといい、ハンドラーの男性巡査長は「今後も一緒に訓練して頑張りたい」と意気込んだ。
[時事通信社]
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