日本人フラメンコ舞踊家、歴史あるコンクールで外国人として初優勝
【マドリードAFP=時事】スペインを代表するフラメンコ・コンクールの舞踊部門で、日本人の萩原淳子さん(48)が外国人として初めて優勝し、フラメンコ界で話題を呼んでいる。≪写真はスペイン・セビリア在住の萩原淳子さん。同国を代表するフラメンコ・コンクール「カンテ・デ・ラス・ミナス」の舞踊部門で優勝した≫
スペイン南東部ラウニオンで8月に開催されたフラメンコの祭典「カンテ・デ・ラス・ミナス」の閉会式で、「ラ・ジュンコ」として知られる萩原さんの名前が発表されると、拍手が起きるとともに一部からは野次も飛んだ。
萩原さんは20年以上住んでいる南部アンダルシア州セビリアから電話でAFPの取材に応じ、「とても驚いた」と話し、「信じてはいたが、まさかと思った」と語った。優勝者として名前が発表された時は「頭が真っ白」になり、野次には気付かなかったという。
萩原さんは、神奈川県川崎市出身。14歳の時にフラメンコに魅了され、早稲田大学のサークル活動でフラメンコ舞踊を始めた。両親の反対を押し切り、2002年にフラメンコ発祥の地セビリアに移住した。
「日本でも技術や振り付けは学べるが、フラメンコは文化であり、生き方そのものなのです」と話す。
スペインでは一流の指導者に師事。スペイン語にも堪能になり、アンダルシア出身の男性と結婚。舞踊家としてセビリアで徐々に存在を知られるようになり、フラメンコを教える立場にもなった。
1961年に創設され、毎年開催されている「カンテ・デ・ラス・ミナス」は、世界で最も重要なフラメンコの祭典と見なされており、バイレ(踊り)に加え、ギター演奏、カンテ(歌)、楽器演奏の計4部門がある。
批評家たちはそろって萩原さんを支持した。
オンライン新聞セビージャ・インフォのフラメンコ批評家は、「他の出場者より好きだった理由が3点ある」として、「古典を重んじていること。観客にこびずに踊る姿勢。そして鍛錬を積んでいること」を挙げた。
萩原さんは、「踊っている時は自分が外国人とか、日本人とかは意識していない」と言う。「ただステージに立ち、ギターと歌を聴き、感じることを自分の踊りで表現するだけ」だと話した。【翻訳編集AFPBBNews】
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