2024-08-28 23:19

土砂崩れ、民家で5人死傷=巻き込まれ倒壊―愛知・蒲郡

 愛知県蒲郡市で27日夜、土砂崩れが発生し、木造2階建て民家1棟が巻き込まれた。一家5人が倒壊した建物におり、29日未明までに全員が消防や警察などに救助されたが、70代女性と30代長男とみられる男性は相次いで死亡が確認され、70代夫とみられる男性が重体。40代の長女と次女は重軽傷という。
 市などによると、27日午後10時すぎ、同市竹谷町大久古で、倒壊した民家から女性が「家族5人が生き埋めになっている」と119番。女性は間もなく救助され、軽いけがをした。別の女性も呼び掛けに反応し、通報から約12時間後に助け出され、重傷という。
 70代女性は約16時間後に救助されたが搬送先の病院で亡くなり、長男と夫とみられる2人も救出時点で丸1日以上が経過し意識不明の重体だった。民家は2階建ての母屋に平屋が連なる造りで、山側の母屋の被害が大きいという。
 気象庁によると、蒲郡市では27日午後10時までの24時間に、平年8月の1カ月分を超える136.5ミリの降水量を観測した。市は発生直後に災害対策本部を設置。28日朝には自衛隊に災害派遣を要請し、大久古地区の住民(14世帯37人)に避難指示を出した。県は避難所設置などで支援するため、災害救助法を同市に適用した。
 現場はJR蒲郡駅の北西約2.5キロで、みかん畑などが広がる地区。裏山の地肌がむき出しになり、自衛隊も加わり重機などを投入して活動した。 
 みかん農家を営み、一家を知る60代女性は「バケツをひっくり返したような雨だった。ザザザと聞いたことがない音が数秒聞こえた」と振り返った。台風10号の接近に「危険な場合は事前に避難しようと家族で話し合い、持ち出し品も再確認したが、連日の雨で地盤が緩んでいて怖い」と話した。被害に遭った70代の夫婦もみかん農家といい、「温厚で優しい方。犬を畑に連れてきて作業することもあった」と無事を祈っていた。
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集