「みらい」が北極へ出航=地球温暖化の最前線を調査
【みらい船上・時事】海洋地球研究船「みらい」が26日夕、青森県むつ市の母港・関根浜港から北極航海へ出航した。他の地域の約4倍の速度で温暖化が進み、「地球温暖化の最前線」とされる北極で、何が起きているのか。北緯66度33分以北の北極圏で海洋調査や気象観測などを実施し、急速な気候変動の原因とその影響を調べる。
北極の変化はそこに住む先住民や動植物だけにとどまらず、日本を含む世界各地にも影響を与えている。22回目となる今回のみらいの北極航海で、首席研究者を務める海洋研究開発機構(JAMSTEC)の伊東素代・副主任研究員は「北極の海氷減少が東アジアの豪雪などに影響しているという研究もあり、北極の状況を詳しく調べることは日本にとって非常に重要だ」と語る。
みらいは、約1カ月間に及ぶ航海で太平洋からベーリング海峡を抜け、北極海で観測を行う。9月30日に米アラスカ州ウナラスカのダッチハーバー港で航海を終える。
当初、出港は8月27日の予定だったが、本州に近づく台風10号の影響を回避するため、前倒しされた。乗船する研究者や乗組員は26日朝からクレーンを使い、みらいに機材などを積み込んだ。JAMSTECが持ち込んだ研究資材だけでも10トントラック6台分という。
北極海の面積は、日本の国土の約40倍に相当する約1400万平方キロ。海氷面積は季節によって増減するが、年最小値を見ると、北海道の面積に匹敵する広さが毎年失われている計算になる。
[時事通信社]
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