セーヌ川水質、パラでも懸念=五輪選手1割が胃腸炎か
パリ五輪で水質問題が大きな注目を集めたセーヌ川は、28日開幕のパラリンピックでもトライアスロンのスイム会場となる。米国の医療専門サイトは、五輪でセーヌ川を泳いだ選手の約1割が胃腸炎を発症したと報じており、パラでも選手の健康への影響が懸念される。
五輪で開会式の舞台にもなったセーヌ川は、トライアスロンのスイムと水泳のオープンウオーターが実施された。降雨の影響で水質が悪化し、公式練習は連日中止に。トライアスロンの男子は1日延期となって女子と同日に競技が行われるなど、選手は水質問題に振り回された。
米医療専門サイト「メドページ・トゥデー」は、米国オリンピック・パラリンピック委員会の医療責任者ジョナサン・フィノフ氏の話として、セーヌ川を泳いだ選手の約10%が胃腸炎を発症したと伝えた。淡水と海水で異なるため単純に比較はできないが、2016年リオデジャネイロ大会や21年東京大会の1~3%よりも発症率が格段に高かったと指摘した。
一方、大会組織委員会は五輪の競技終了後に水質データの詳細を公表。全て基準を満たし、「セーヌ川で開催することは組織委の野心を象徴するもの。長年にわたり取り組んできた河川の浄化計画が実を結んでいる」と強調した。
パリ市などは巨額の資金を投じて浄水施設を設置するなど、対策を講じてきた。しかし、降雨のたびに生活排水が流入して水質が悪化することは避けられず、パラでも晴天を願う日々が続きそうだ。(時事)
[時事通信社]
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