「新たな道切り開く」=ハリス氏、初の女性大統領へ決意―米民主党大会が閉幕
【シカゴ時事】米民主党の大統領候補カマラ・ハリス副大統領(59)は22日、中西部イリノイ州シカゴで開催された党全国大会で指名受諾演説を行った。11月の大統領選は「分断を招いた過去の争いを乗り越え、新しい道を切り開く機会だ」と強調。共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が返り咲けば「影響は著しく深刻だ」と警告し、米国初の黒人、アジア系の女性大統領を目指す決意を示した。
ハリス氏は「中産階級の強化が大統領としての私の決定的な目標だ」と宣言。党予備選を経ずに指名され、人となりがよく知られていないため、義父に性的虐待を受けていた親友を保護したことをきっかけに検事を目指した来歴を紹介した。
米大統領選の有力女性候補は、民主党のクリントン元国務長官に次ぎ2人目。ハリス氏は「全ての国民のための大統領になる」と述べ、国を団結させる意思を明らかにした。トランプ氏は人工妊娠中絶の権利や社会保障を弱体化させると訴え、「私たちは後戻りしない」と連呼した。
外交面では、パレスチナ自治区ガザでの停戦を実現すべきだと強調した。ロシアに侵攻されたウクライナや、北大西洋条約機構(NATO)への支持も表明。また、「北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記のような独裁者に擦り寄るつもりはない」と断言した。
大会はハリス氏の演説を最後に閉幕した。4日間の大会では、ハリス氏とティム・ウォルズ副大統領候補(60)を正式に指名。バイデン大統領やオバマ、クリントン元大統領夫妻らがハリス氏への全面支援を呼び掛けた。
大統領選では、民主でも共和でもない「第3の候補」として人気を集めてきた無所属のロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)が撤退を検討していると伝えられ、ハリス氏とトランプ氏の一騎打ちの構図が一層鮮明になっている。現時点ではハリス氏が各種世論調査でトランプ氏にわずかに先行。両氏は9月10日のテレビ討論会で初の直接対決に臨む。
[時事通信社]
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